素敵な卒業生

先日,一人の青年が学校を訪ねてこられました。「教頭先生に…」ということだったので,私がお話を聞きました。
その方は大竹中学校の卒業生だということでした。今お勤めの企業の社内広報誌(県内ではなく全国版でした)に「春」をテーマにした原稿を書くことになったので,是非母校である大竹中のことを書きたいと思って,春先に学校にいらっしゃったのだそうです。まだ桜も咲かない頃,一人の先生(だれかは今のところ定かではありません)に事情を説明し,「学校の写真を撮らせてください」と頼んだそうです。するとその先生は「わかりました。写真を撮られることは構いません。ただ,その広報誌ができたら,見せてください。」と答えたそうです。
それでその方は,「ちょっと遅くなりましたが」と言って,わざわざその広報誌を持って大竹中学校に来てくださったというわけです。
広報誌を見せていただくと,なるほど,青空の下まだ蕾も固い桜の木々と大竹中学校の校舎が写った写真が載っていました。その方が大竹中学校を卒業されたと同時に,校舎は新しく建て変わったそうです。自分が3年間通った校舎がなくなったのは少し寂しいけれど,桜の木は変わらないとしみじみとおっしゃいました。そして,丁寧なお礼の言葉と一冊の広報誌を残して,その青年は帰っていかれました。
母校への愛着をずっと持ち続け,そして3ヶ月以上前の約束を律儀に守って,わざわざ広報誌を持ってきてくださった大竹中学校の卒業生。なんだか嬉しくなりました。きっと他にも,そんな素敵な卒業生が全国にたくさんいらっしゃるんだろうな… 思わずそんなことを思いました。今年の卒業式まではまだ半年以上ありますが,毎年毎年,生徒は旅立ち,素敵な卒業生がどんどん増えていく… 卒業生の心に,いつまでもよき思い出としてよみがえる大竹中学校にしていきたいなと思いました。
その方に「大竹中のHPには,きれいな桜が写った校舎の写真もありますから,是非見てください。」と伝えました。見てくださっているでしょうか? その素敵な卒業生さんと,その他の多くの卒業生の皆様のご活躍を心からお祈りします。
(文責 笹口)