第65回卒業証書授与式

 卒業式が,厳粛かつあたたかい雰囲気の中,多くの来賓,保護者の方々に参加をいただいて,無事終了しました。
 卒業証書を受け取る3年生の顔は,とても晴れやかで,態度も立派でした。在校生の態度も大変素晴らしく,一糸乱れぬ「起立」「回れ右」「着席」の動きや,体育館に響き渡る「歩いていこう」「旅立ちの日に」の合唱の歌声は,保護者から自然と拍手が起こったほどでした。
 ここでは,私の尊敬する先生が,いつも卒業式の日に最後の学級通信で紹介する詩を載せて,卒業生へのはなむけの言葉としたいと思います。卒業,おめでとう。


        校 庭 で


わたしは 未来という言葉が好きだ
よく考えると あなたたちの一人一人に
それがどんな意味を持つのか
なかなかふくざつで
かんたんには使えないけど
あなたたちとわかれる日が近づくと
なぜか、さからいがたく
未来という そんな言葉が
心の中からとび出してくるのだ。
夢とか 倖せとかいう言葉では
いいつくせないものが
その未来という言葉にあるからだろう。
いまうす陽が差している校庭には だれもいない
わずかに光をあつめて
冬薔薇だけが咲きのこっている。
いってみれば 未来とは
かすかに風にゆれる
この一輪の 白い花のようなものだ。
ゆく雲のかげさえそこにうつっていて
世界はかぎりなくしずかで
かぎりなく美しい。
しかしそこにあれば
この庭にみちあふれていた
あなたたちの
明るい笑い声が聞こえる。
わたしは
あなたたちのそばを
なんども通った
そんな日があったことを
忘れない。