私たちにできること

 今日の5時間目に3年生は学年全体で道徳の授業をしました。テーマは国際理解です。というと難しそうな感じですが,もう少しかみくだいていうと,「他国の伝統や文化の理解を知り,人間同士のつながりを大切にし,世界の平和のために自分にできることを考える」ことをねらいとしました。
以前,海外で仕事をした経験のある本校の3名の先生方にお話を聞き,私たちの身近なところで何ができるかを考えました。
青年海外協力隊員としてパプアニューギニアの学校で勤務した経験のある内藤先生,コロンビアのボゴタ日本人学校で勤務経験のある本田先生,最後にカンボジア復興支援活動に参加した岡寺先生の話でした。どの先生の話も自らの経験にもとづいた話であり,説得力のある話ばかりでした。
 生徒の感想にも,胸を打つものが数多くありました。その中から二つを紹介します。

 世界には戦争の多い国がある。私たち平和な日本からすれば,そのような国々にあまり良いイメージは持たなかったけれど,今日の先生方の話を聞いて,そのような国にも,その国らしい良いところがたくさんあり,それも価値の違いなんだなあと思いました。
 日本のような豊かな国は,世界の約2割くらいしかないけれどその「豊か」さが「パプアニューギニア」の人がもっているような「物を大切にする心」を忘れさせてしまったのかなあと思いました。もっと世界の国々の色々な生き方を知っていきたいと思いました。

今まで知らなかった外国の現状を知り,少しでも世界のために日本人として何かやりたいと思いました。例えば,岡寺先生が「計算ブロック」を集めて勉強に使うことなど,国が必要としている物を提供することです。私には「計算ブロック」なんて集めることはなかなかできないし,勉強を教えることなんて全くできないけれど,ボールペンやシャーペン,鉛筆,消しゴムなど勉強に必要な道具で使っていない物を集めている団体に提供するぐらいのことならできるかなと思いました。このように,大きなことではないけど,小さいことを少しずつ,世界の人々がやっていけば,いつかは,世界の人々全員が笑っていられる日が来るかなあと思いました。


 こんなふうに考えると私たち日本人は,世界の人たちの役に立てることがたくさんありそうです。世界の人たちのために働くことで,その中から学ぶこともたくさんあります。将来どんな仕事についても,これからは,世界と無関係であることは考えられません。例えば,医者や看護師は,病気やケガの治療で直接どこかの国に行って自分の力を役立てることができますし,その他にも車や橋などの物を作る仕事,あるいは学校の先生など,どんな仕事でも自分が頑張ってやっていることが,世界につながり,世界の人たちのために何らかの役に立てるのだと思います。自分の力を人のために役立てる,また自分の頑張っていることがまわりの社会,さらに言えば世界とどうつながっているのかを考えてみることが大切だと思います。
私自身が,このようなことを考えさせられる貴重な時間になりました。       (文責 藤川)