叱り方3カ条 ・ 元気は出すもの

今日,大竹小学校で人権教育講演会がありました。講師は兵庫教育大学教職大学院教授の加藤明先生でした。加藤先生には,昨年の本校の公開研究会でもご講話をいただきました。今日もどんなお話が伺えるのかと期待しながら,校長先生と大竹小学校に向かいました。1時間という短い時間でしたが,ユーモアあふれる語りの中に,教師として,また親として,心に響くことがいろいろありました。特に印象に残ったことを書いてみます。

今の子どもは打たれ弱い少子高齢化で,小さい頃から周りの大人がうまくやってくれるので,「思い通りにいかない」という経験がない。だから,つらいとき,苦しいとき,困難に直面したときに,自分と向き合えない人間になってしまう。それでは自立した人間にはなれない。その背景には,叱れない先生・保護者,厳しすぎる先生・保護者,慢性的なコミュニケーション不足などがある。
いっしょにいて,なんとなく会話を交わすゆったりとした時間を大切にしてほしい。それが家族の団らんである。だれかと一緒にいることで人は安らげる。それが家であり,元気を出すために家(うち)がある。グチを聞いてもらうだけでもいい。学校もコミュニケーション不足。先生同士,生徒と先生,もっとおしゃべりが必要だ。お母さん同士も,もっとしゃべって仲良くしないといけない。それが親のネットワーク。みんなで子どもを育てましょう。
人を育てるには厳しさと優しさの両方が必要だ。そこで叱り方の3カ条。
①説教は3分以内に。(長くなると,何を叱っているのかわからなくなる。)
②あげた拳のおろしどころを考えて叱る。(子どもには逃げ場が必要。怒っている自分を別のところから離れて見る冷静さが必要。)
③一人称で叱る。例「あなたはどうしてそんなことするの。」ではなく「あなたがしたことを聞いて,私は悲しいよ。」 
そしてもう一つ…叱る時には決して過去にさかのぼらないこと。
また,叱ること以上に大切なのがほめることだ。みなさん,ほめ上手になりましょう。
そうは言っても,人を育てるのは難しい。悩みは尽きない。だからこそ,悩んだ時は仲間とコミュニケーションしましょう。親同士,親と先生が大の仲良しになってほしい。そういうことが子どもの教育には必要。
いつもユーモアと元気を忘れずに。元気は出すもの。子どもに負けずに親として成長していきましょう。
自分の足で立って,自分の力で,自分らしく,手を携えながら生きていける人間を育てるのが教育です。

さて,如何でしょうか?加藤先生の講演を聴いて,「こんなことも心に残ったよ」という方,是非メール等で教えてください。(文責 笹口)